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2018.02.21
スタッフのこと

エモーショナルなウェブ記事風に紹介するバンデラスの日常

歩き始めたばかりの子供は、小石のような障害物でもすぐにつまずきます。その子の目から見た世界はいつも地面に近く、起伏があったり、芝生や砂場、アスファルトなどの変化にも気づくことでしょう。

しかし背が伸びるほど地面は遠ざかり、背伸びして超えた障害はなんでもない段差に変わります。

視野が広がって遠くまで見渡せるようになった分だけ、足元の変化に気づきにくくなってしまう。展望台からは街並みは見渡せても人々の暮らしは見えないように、私たちは日々の小さな変化を見落としていくのかも知れません。

そうならないよう、たまには双眼鏡を顕微鏡に持ち替えて、昨日とは違う今日を見つけていけたらいいですよね。

さて、そんなわけで東京に引っ越してからの僕の日常をちょっとだけ紹介します。

決して他の曜日担当の方のような旅行やコンサートなどのネタがないから言い訳しているわけではないです。

    夜の散歩に出かけました

星が降る気配なんてどこにも見えない東京の夜に「俺たちこそが星だ」と蛍光色で主張するネオンをかいくぐり、誰かの手で触れられていない暗闇を探して歩いて、たどり着いたのは皇居のほとりでした。

冷たく静まったアスファルトを靴のかかとで叩き、街灯が案内する方へ。すると足音だけが響いていた空に風切り音が混じり、金属と油のうなり声のようなエンジン音も空気を震わせます。

そこは遊歩道と首都高速が交差するエリアで、人間の足のすぐ下をハイスピードの車が過ぎて行きました。

ヘッドライトの残像が描いた曲線が猫の爪のように道を切り裂き、ずっと昔の、かつての少年たちが心躍らせた未来予想図が今ここにあるんじゃないかなあと一人歩道を歩きました。

    十字路になっている横断歩道をみつけました

東京の外れ、交差した広い道路に包帯をあてがうように、たすき掛けにかけられた十字路の横断歩道を見つけました。僕はこんな横断歩道を見たことがなかった。交差した道にかかった横断歩道はたいていそれぞれの道を横につないで「空中に浮いたロの字」みたいになることが多いので、空中でもう1つの十字路が存在しているのは新鮮でした。

そこを渡る途中で「この十字路で目をつぶって回転したら方向感覚がわからなくなるのでは?」と思い試してみました。

交差する道の真ん中で一人佇み、目を閉じてその場で体を回転させます。そうすると手で握った砂が少しずつなくなっていくように自分の行く方向がだんだんとわからなくなっていきます。目的地も、出発したところも、今いる場所も、確かに握っていたと思ったものが僕の手を離れ、自分はどこからきてどこへ行くのか、自分は一体何者なのか、今ここにあると思っているものは本当にここにあるのか、そんな疑問にまで思考が及んだ瞬間目を開けると、そこにあるのはいつもと変わらない都会の景色でした。人生に迷った時は同じようにやってみるのもいいかもしれません。人に見られないように気をつけてください。

 

さて、そろそろこの記事を終わります。

うっかりキーボードの上を指が滑り、また妙ちきりんな文章を書いてしまいました。

皆さんのスキマ時間を埋める手伝いができれば幸いです。

バンデラスでした。

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