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アトツギベンチャーである工具通販の「大都」(大阪市生野区)3代目代表の山田岳人は、自身の事業承継を「マスオ型事業承継」と呼び、会社は継ぎましたが苗字はつぎませんでした。当時は当たり前のように婚姻でパートナーの苗字を自分の名前に改姓してもらいましたが、創業家の一人娘であるパートナーの姓を奪ってしまったことや、95%の女性が改姓をしているフェアとは言い難い日本の現状に疑問を感じるようになりました。自分の娘もゆくゆくは当たり前のように改姓を迫られるかもしれないと考え、次世代のために行動をはじめました。
選択的夫婦別姓について考えるプロジェクト「Think Name Project」2024.04.01当日限定の「トラノテ」ならぬ「サトウノテ」ロゴ
特設サイトURL:https://think-name.jp
公式Twitter:https://twitter.com/ThinkNamePJ
「#2531佐藤さん問題」紹介ムービー:
■代表取締役 山田岳人のコメント
選択的夫婦別姓制度の法制化のポイントは「選べる」ということです。「家族で同じ姓の方が一体感が深まる」と考えるカップルは引き続き夫婦同姓で結婚できる一方で、「結婚前の姓を互いに尊重し合いたい」と考えるカップルは改姓せず、夫婦別姓を選べるようにするものです。
既に国民の大半が賛成しているのに一向に進まないのはなぜなんでしょう。
これから結婚する次世代が悩まなくてもいいように今の大人たちが変えていきましょう。
■株式会社大都
1937年創業の工具問屋、インターネット黎明期の2002年にオンライン通販事業に参入。代表の山田は3代目。
■トラノテ https://www.torano-te.jp/
2023年2月にスタートした、事業者向け工具の通販サイト。電動工具や塗料、ガーデニング用品まで約300万点以上の商品を取り扱っている
発信の背景
この度、4月1日エイプリルフールを活用した啓発企画として「2531佐藤さん問題」アクションを一般社団法人 あすには と実施いたします。あすには は、選択的夫婦別姓について考えるきっかけをつくる企業合同プロジェクト「Think Name Project」を賛同企業・パートナーとともに始動いたしました。
今回の「2531佐藤さん問題」は4月1日エイプリルフールに、嘘のような本当の話「2531年には日本人全員が佐藤になる」という統計学に基づいた結果を使った、男性にも自分ごととして現状を知ってほしいという取り組みです。
約500年後の日本では、多くの人、企業やサービスなど、日常のさまざまなシーンが佐藤(SATO)であふれているかもしれない…という未来予想図を描くことで、みなさんと選択的夫婦別姓について考えていきます。
※本企画は、名前の多様性について考えを促すものであり、「佐藤さん」名字を否定するものではありません。
人口動態の専門家による新たなシミュレーション「2531佐藤さん問題」
日本で最も多い名字は「佐藤」であり、2023年時点で、佐藤姓は国民全体の1.529%といわれています。13万種類あった苗字の種類も、夫婦同姓が原則となっている現在の仕組みが続いた場合、“徐々に名字の種類が減少し、やがて1つの名字になってしまうのではないか”という仮説が生まれました。
そこで「Think Name Project」の一環として、東北大学経済学研究科/高齢経済社会研究センター 吉田浩教授にあすにはが独自調査を依頼し、佐藤姓の増加率および人口動態から分析を行いました。その結果、選択的夫婦別姓が導入されず夫婦同姓のままの場合「約500年後の2531年には、佐藤姓が100%に達する。」というシミュレーションが導き出されました。
詳細については、以下の文献をご覧ください。
「佐藤姓増加に関する推計方法と結果について」
https://drive.google.com/file/d/1IWDZjvdl8e90cunZGNMAXkbSRy0T63wN/view
表札、企業ロゴ、選手名、キャラクターなど
あらゆるものが佐藤(SATO)化!?
このシミュレーションを「2531佐藤さん問題」と題して、4月1日エイプリルフールに企業や著名人とともに、さまざなシーンで「佐藤(SATO)化」現象を起こすアクションを展開します。本プロジェクトにご賛同いただいた企業や著名人にご協力いただき、「もしも日本人がみんな佐藤になったら…」という世界を描きました。
TOKYO BB「スポーツ選手が全て佐藤に」
内田春菊さん「マンガのキャラクターが全て佐藤に」
株式会社アイダ設計「住民が全て佐藤に」
オイシックス・ラ・大地株式会社「生産者が全て佐藤に」
株式会社大都「サービスロゴが佐藤に」
Tinto Coffee「店舗の看板が佐藤に」
賛同企業・パートナー 一覧
本プロジェクトでは今後も様々な展開を計画しています。ご賛同いただける企業はフォームからぜひご連絡ください。
Think Name Project賛同企業申請フォーム
https://bit.ly/thinkname
東北大学経済学研究科/高齢経済社会研究センター教授 吉田 浩 コメント
社会の課題や問題を「見える化」することに日頃から取り組んでいます。夫婦同姓・別姓のあり方については、社会にも個人にもいづれ不都合が生じてくる仕組みだと感じ、その課題感の効果的な伝え方を模索した結果「500年後に100%、佐藤さんになってしまう」と数字で明確に伝えることを試みました。姓には家系のヒストリーがあり、文化的象徴としての側面もあることを考慮すると、それが失われるということは、姓が持つヒストリーも途絶えるともいえます。
私個人としては、結婚すること、誰かパートナーと一緒に人生を歩むということと、名前を変えるということは別の問題だと捉えています。個をさらに重んじていくのであれば、結婚で名前を変える必然性はないともいえるので、姓についてしっかり一人一人が向き合う必要があると思います。
<プロフィール>
東北大学大学院経済学研究科および東北大学経済学研究科高齢社会社会研究センターにおいて、少子・高齢社会の経済に及ぼす影響や、現在の社会・経済システムが人々のライフ・スタイルなどに及ぼす効果を分析する「加齢経済学」を研究。1.少子化の経済学 2.少子高齢化での労働や社会保障の仕組み 3.税や社会保障の負担差を計算する世代間平等の問題、の3つの視点から、高齢経済社会及びそれに対応した公共政策について提言を行っている。
平等な結婚、平等なキャリアを企業も応援!「Think Name Project」
日本は世界で唯一、結婚時に名字を変えなくてはいけません。そして改姓の95%が女性と大きく偏っています。本プロジェクトは、選択的夫婦別姓について考えるきっかけをつくり、男女の平等な婚姻、平等なキャリアを応援するプロジェクトです。選択的夫婦別姓は、名前を自由に選べる制度です。今後、意外なデータの公開やユニークなアクションを通じて、企業も生活者も、あらゆるステークホルダーが夫婦同性・別姓について考えるきっかけとなることを目指します。
特設サイトURL:https://think-name.jp
3月8日 国際女性デーには、6つの経済団体とともに
政府に対し要望書・署名を提出
ジェンダー平等を推進する一般社団法人あすにはでは、「選択的夫婦別姓の早期実現を求めるビジネスリーダー有志の会」事務局を務め、2023年3月8日国際女性デーに、企業の役員以上の方1,046名もの個人署名を日本政府、首相、関係大臣に対し、提出することができました(署名一覧・賛同コメント)。政府への手交には以下の団体の方々もご参加くださ
り、各々の要望を手渡してくださいました。
公益社団法人経済同友会(要望書)
一般社団法人新経済連盟(要望書)
一般社団法人日本経済団体連合会(資料)
全国女性税理士連盟(要望書)
一般社団法人日本跡取り娘共育協会(調査結果)
選択的夫婦別姓の早期実現を求めるビジネスリーダー有志の会(要望書)
要望手交に関する報道(一部): NHK、朝日新聞、毎日新聞、東京新聞、テレビ朝日、TBS、共同通信
2024年3月8日国際女性デーに実施した「経済界からの選択的夫婦別姓法改正要望」
レポートはこちら
https://asuniwa.org/2024womensday/
(左上から時計回りに)門山法務副大臣、深澤外務政務官、矢田首相補佐官、古賀内閣政務官への手交、集合写真