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2013.01.21
メーカーのこと

KTC 工場・ものづくり技術館研修会

KTC(株式会社京都機械工具)本社で開催された「KTC 工場・ものづくり技術館見学および研修会」で、車載工具についての製造からコンセプトまでを学ぶことができるということで、参加させて頂きました。 KTCはレンチの締め具合を可視化した”デジラチェ“を製造していることで特に有名です。 KTC研修会レポート画像001 本社久御山のものづくり技術館。 KTC研修会レポート画像002 KTCは工具アイテム数、生産量において、国内ナンバーワンを誇る日本を代表する工具メーカーです。 KTCではメイドインジャパンのクオリティを保つために、熱間鍛造から仕上げ処理まで一貫した自社生産体制を取られているということでした。 そうして生み出されたのが、デジラチェ[メモルク]であり、同社のフラッグシップラインであるNeprosシリーズです。 まずKTCの平井さんから会社概要を聞かせて頂いたのちに、敷地内の製造ラインへと移動しました。 最初の工程は“熱間鍛造”。 1000℃前後まで熱した金属を、2000tの加重で一気に型へと押し付けます。 ドッゴーン! もの凄いボリュームの音が空気を震わせます。思わず、心臓がドクッとなるのを感じさせるようなそんな大きな響きでした。 ライブハウスで聞くバスドラ音の50倍くらいでしょうか(体感)。 それでも、カイゼンによって以前に比べればだいぶ静かになっているということでした。 今では大型のサスペンションを鍛造機械の下部に設置されているけれど、かつては隣の建物の窓ガラスがビリビリと震えていたんだよ、とおっしゃっていました。 その後、冷間鍛造→機械加工→バレル処理→仕上げ処理と見ていったあと、新製品のお話をして頂きました。 KTC研修会レポート画像003 デジラチェは、既存のトルクレンチでの作業で起こりがちだったオーバートルク(トルクの締めすぎ)の問題を解決するべく作られました。 KTC研修会レポート画像004 デジラチェの写真。

トルクが適正な力で締められているというのは安全管理/品質管理上、極めて重要であるといえます。 数年前から走行中に大型トラックのタイヤが外れるという悲しい事故が起こっていますが、これもオーバートルクが原因の一つとして考えられるということです。 また、工場などの生産現場ではトルクの締め具合が一定でないということが原因として、しあがる製品にムラが出来てしまい、結果、不良品となってしまうことが起こりえます。 そういった諸問題を解決するツールとして、デジラチェは生み出されたのです。 そしてデジラチェの最新バージョン、デジラチェ[メモルク] を説明されました。 この“メモルク”は、デジラチェを更に進化発展させたもので、トルク測定作業の履歴をパソコンで自動的に記録・管理することができるなんともデジタルな工具です。 パソコンへのデータ移動方法は2つあり、1つは無線で飛ばす方法、2つ目はUSBで接続し送る方法です。 “メモルク”の誕生により、管理者はより正確な情報を把握できるようになったといえるでしょう。 KTCは革新的な工具を生み出す、大変開発力のある工具メーカーであるという印象を受けました。 KTC研修会レポート画像005 ラチェットパイプカッタの写真。 自動送り機能を備え、狭い場所でもパイプの切断が可能。 KTC研修会レポート画像006]]>